【堺市】購入希望者との賢い交渉の仕方とは
価格の交渉はどんなときに行われるのでしょう
まずは「下限価格より高めに売り出す」
住んでいるエリアによる差はあるかもしれないが、日本人は日常的に価格交渉というものをあまり経験しないことが多いようです。買い物に行って値札を見ると、その価格どおりに支払うのが当たり前と思っている人が多いでしょう。
ですが、マンションや土地、戸建てといった不動産、それも中古不動産のマーケットは事情が違います。業界人ではない普通の買主であっても、売り出し価格から値引きを申し出るケースが多いのです。この値引きのことを、業界では「指し値」と呼んでいます。
そのため、売主としても売り出し価格には指し値が入るものと覚悟しておいたほうがいいでしょう。だからこそ、自分が「最低でもこの価格では売りたい」と思う下限の価格よりもやや高い金額で、売り出し価格を設定しましょう。
交渉に応じるかどうかは売主の事情にもよる
では指し値が入ったときにどのように交渉するのがいいのかだが、これは状況にもよるので一概には言えません。例えば4500万円で売りに出して間もない時期に、「4000万円でどうか」と大きな指し値が入ったとします。しかしそれよりも高い金額を提示する購入希望者が現れると思えるのであれば、「その価格では無理」と断ってもいいでしょう。
逆に売り出して1カ月以上もたつのにちっとも反応がなければ、売り出し価格が高いということになります。そんなときに指し値が入ったら、金額の差が多少大きくても交渉の余地はありそうだ、あるいは売り出した直後であっても、売り出し価格と指し値の差が小さければ交渉する価値はあるでしょう。
指し値が入ったときの正しい対処方法は?
納得できないならすぐに指し値どおりには売らない
具体的に、指し値が入ったときにどう応じるべきか。指し値に納得できないなら、すぐにその価格で売らなくてよいでしょう。考慮すべきは購入希望者側の真意がどこにあるかです。もし本当にその物件がほしいが、予算的に売り出し価格では厳しいというのであれば、交渉に応じるのも一案です。だが、「指し値で買えればもうけもの」といった感覚なのであれば、すぐに妥協せずに踏ん張ってみることも検討すべきです。
実際の交渉は購入希望者と直接するわけではなく、不動産会社の担当者を介して行われます。ですから買主の真意は担当者に探ってもらいながら、どう対応すべきか相談するのが正解です。担当者としても『その指し値では売れない』と突っぱねるのは内心冷や冷やものですが、いかに有利に交渉するかも腕の見せどころといえます。
大幅な指し値が入るようなら売り出し価格を見直してみることも
指し値が入ったときには「売り出し価格を見直してみる」ことも大事です。特に売り出し価格と指し値との差が大きいときは有効です。
「例えば4500万円で売りだして4000万円の指し値が入った場合、すぐに交渉に応じるのではなく、売り出し価格の引き下げを検討してみてもいいでしょう。4300万円ぐらいで再度売りに出すと、4100万円で購入希望者が現れるかもしれません。売り出し価格に割安感が出ると購入希望者が増え、希望者同士で競合するケースもあるのです」
価格交渉の際には引き渡し条件も決める
付帯設備の処分方法がトラブルのもと
価格交渉の際に引き渡し条件も決めることが大切だ。「エアコンやカーテン、照明などを付けたまま売るのか、片づけてから売るのかを決めておかないと、トラブルの原因になることが少なくありません。処分する必要があるものなら、どちらが処分費用を負担するかも明確にしておきましょう」
付帯設備についてはあらかじめ一覧表を作成し、故障していないかどうかの状態や、設置したまま売却するのか撤去するのかを明らかにしておく必要があります。同様に、古い建物を解体して更地で売る場合は、解体費用を売主と買主のどちらが負担するかを取り決めておくようにしましょう。
価格以外に引き渡し時期の交渉も必要
引き渡し時期を待ってもらう場合は価格とセットで交渉
引き渡し時期についても交渉が必要です。売主と買主の希望時期が一致すれば問題はないが、そうはならないケースが少なくありません。引き渡し時期を交渉する場合は、価格交渉とセットで行います。
例えば売主が買い替えの場合、「買い替え先に入居できるまで引き渡しを待ってほしい」と交渉したいでしょう。こういった引き渡し時期などの条件に関することは、価格交渉とセットで行うことで通りやすくなります。価格を含め、どの条件を優先するか整理しておきましょう。